『無生物主語構文』と聞いて、思わず顔をしかめる方も、多いのではないでしょうか?
でも安心してください。
この記事では無生物主語構文について、初心者でもわかりやすく解説していきます。
ではまず、無生物主語構文とはなにか、というところからです。
目次
無生物主語構文とは何か?例文で解説
無生物主語構文とは、S(主語)V(動詞)X(その他の語句)で構成される、主語が無生物の文のことです。
では無生物とはなにかというと、そのままの意味で、生物ではないものです。
この無生物主語構文は、直訳すると日本語として不自然になる場合が多いです。
ですから、正しい訳し方を身に付けておく必要があるのです。
例をあげてみます。
Illness prevented his from going to school.
これをなんと訳しますか?
直訳して、『病気が、彼が学校に行くのを防いだ。』などと訳したら、入試でいい点がもらえないことは明らかです。
これを『病気のため彼は学校に行けなかった。』と訳すと、自然な日本語ですよね。
次の項目で、どのようにすればこのような訳し方ができるのか解説します。
無生物主語の訳し方のコツ

これだけです。
副詞節とは、接続詞+S(主語)V(動詞)X(その他の語句)のかたまりのことです。
例をあげてみると、If S V X、When S V Xなどです。
※ちなみに、節と句の違いは、2語以上のかたまりのうち、SVがあるのが節、ないものが句となります。
副詞節のように訳すのとそうでないのでは、採点にあたえる印象がかなり違います。
訳すときに使う主な副詞節
1 ~の時 (=when)【時】
2 ~ならば (=if)【仮定】
3 ~するためには (=in order to)【目的】
4 ~であろうとも (=though)【譲歩】
5 〜なので (because)【理由】
ひとつ練習してみましょう。
訳してみてください。
A detailed investigation will take at least a full month.
考え方は以下です。
主語をみると A detailed investigation となっているので、無生物だとわかりますね。
どの副詞節のように訳すかは、ひとまずおいときます。
次に動詞をつかみます。
動詞はtakeですね。
takeのSVOの文型なので、『SするのにOかかる』という意味になります。
つまり、「詳しく調べること」は「まる一ヶ月」を「必要とするだろう」と直訳できます。
そして、後回しにした A detailed investigation をどの副詞節のように訳すかを考えます。
ここでの適切な副詞節は3番の 〜するためには【目的】 がよさそうです。
ですから自然な日本語に訳すと、「詳しく調べるためにはまる一ヶ月はかかるだろう」となります。
うまく訳すことができたでしょうか?
make,enableなど無生物主語構文でよく使われる動詞

さきほど、無生物主語構文でよく使われる副詞節を紹介しました。
こんどは、無生物主語構文でよく使われる動詞を紹介します。
prevent ( 妨げる )
keep ( 妨げる )
stop ( 妨げる )
prohibit ( 妨げる )
surprise ( 驚かせる )
please ( 喜ばせる )
satisfy ( 満足させる )
frighten ( 怖がらせる )
excite ( 興奮させる )
disappoint ( がっかりさせる )
encourage ( 勇気づける )
take ( 連れて行く )
bring ( 連れて来る )
lead ( 連れて行く )
make ( ~ させる )
cause ( ~ させる )
enable ( ~ できるようにする )
force ( 無理に ~ させる )
compel ( 無理に ~ させる )
oblige ( 無理に ~ させる )
remind 人 of ( 人に ~ を思い出させる )
say ( ~ と書いてある )
tell ( ~ を示す )
show ( ~ を示す )
allow ( 許す )
permit ( 許す )
leave ( ~ にしておく )
keep ( ~ にしておく )
delay ( ~ を遅らせる )
give ( ~ を与える ) など
http://eigogakusyu-web.com/grammar/120/ より引用
これらをすべて覚える必要はありませんが、出てきたら、『無生物主語構文かな』と疑えるとよいです。
個人的には、prevent,make,enable,keep,cause,stop などが、よく見かけますね。
では最後にここまでのことをふまえて、練習問題をやってみましょう。
無生物主語構文の和訳練習問題

では以下の三つの文を日本語に訳してみてください。
難易度としては、基礎〜標準レベルです。
1 The bad weather prevented them from launching the rocket.
2 Circumstances didn’t permit him to help her.
3 That road will take you to the post office.
解答
1 悪天候が(彼らから)、ロケットの打ち上げを妨げた。
⇒悪天候によって(彼らは)ロケットを打ち上げることができなかった。
2 事情が彼に、彼女を手伝わせるのを許可しなかった。
⇒事情があって、かれは彼女を手伝うことができなかった。
3 あの道があなたを郵便局に連れて行く。
⇒あの道をいけば郵便局に行ける。
練習問題の解説
1番は『〜によって』と、理由の副詞節のように訳すと自然です。
2番も日本語にはあまり表れてませんが、理由の意味をふくんでいます。
3番はif節のように『〜すれば』と訳すと、自然な日本語になります。
まとめ
この記事の内容を簡潔にまとめます。
・無生物主語構文は副詞節のように訳す
・よく使われる副詞節の意味は
1 ~の時 (=when)【時】
2 ~ならば (=if)【仮定】
3 ~するためには (=in order to)【目的】
4 ~であろうとも (=though)【譲歩】
5 〜なので (because)【理由】
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