今回は普段はほとんど意識しないであろう、『of』の訳し方・使い方を、解説していきたいと思います。
あなたは、『Aof B』という形を見たときにどう訳しますか?
『〜の』 と単純にに訳すだけでは、不自然な日本語となり意味不明になることがよくあります。
例えば、以下の例をみてください。
例 the city of Tokyo
これを「東京の町」と訳すと誤訳です。
正しく訳すと『東京という町』です。
このような問題で間違える人が多いので、出題者はその部分を問題にして、受験生の力をはかることが多いです。
ですから of の訳し方について、正しい知識を身に付けることが重要です。
これから紹介する『of+抽象名詞』の訳し方と、そのほか5つの訳し方ができれば、どんなofが出てこようとも怖くはありません!
目次
of+抽象名詞の訳し方・使い方を解説
まず、頻出の『of+抽象名詞』の訳し方について、解説します。
『of+抽象名詞』は形容詞のように訳します。
例を挙げてみます。
of use (=useful) 『役立つ』
of value (=valuable)『価値のある』
of help (=helpful) 『役立つ』
かっこの中身の形容詞と、ほぼ同じ意味と考えればOKです。
注意点として、抽象名詞の前に、great/a little/little/no などが入る事があります。
例えば
of great importance 『少し重要である』
of little importance 『ほとんど重要でない』
of no importance 『全く重要でない』
のようになります。
形容詞は名詞を修飾するか補語になる働きがあるので、『of+抽象名詞』は名詞を修飾するか、補語になる働きをもちます。
では文の中で、どのように使われているかを見てみます。
①This mistake will prove to be of some value.
『今度の失敗も無駄にはならないだろう。』
この場合はofとvalueの間に、someが入っており、見抜きにくいかもしれませんが、確実に見抜けるように訓練していきましょう。
②Donald Trump said that it was of great importance to develop the US-China partnership.
『米中の協調関係を進展させることが非常に重要であると、ドナルド・トランプは述べた。』
この場合も、ofとimportanceの間にgreatという単語が入っているので、一見わかりにくいです。
しかし大学入試では、これくらいの難易度の文はバンバン出てきます。
of+抽象名詞は、忘れた頃に長文などで出てくるので見落としがちですが、普段から意識しておくと見抜けるようになります。
次の項目では、『A of B』 という形を見たときに、どのように考えていけばよいかお話します。
A of Bの5つの訳し方・使い方を解説
『A of B』という形の訳し方は、大きく分けて5つあります。
これらのことは、普通の参考書にはあまり書いてありませんが、極めて重要です。
『BのA』と訳す場合
これは普通の訳し方ですね。
多くの方が、無意識にこの訳し方をしていると思います。
例
the leg of a table テーブルの足
a boy of ten years 十歳の少年
「AのB」 と訳す場合【単位名詞】
この場合Aは単位名詞です。
単位名詞とはamount ,volumeなどの量を表す名詞です。
例
a large amount of money 莫大な金
the volume of water 水の量(水かさ)
「BというA」 と訳す場合【同格のof】
同格のofはこの記事の最初の例に出しましたね。
例
the city of Tokyo 東京という町
the art of painting 絵画という芸術
AとBが同じカテゴリーに属す時に、このofを使います。
ofの左側が抽象的な事柄で、右側に具体的なものがくることが多いです。
このようなofを同格のofと呼びます。
「BがAすること/BがAであること」と訳す場合【自動詞・形容詞由来の名詞】
このように訳す場合、Aは自動詞由来の名詞か、形容詞由来の名詞になります。
自動詞由来の名詞は、例えば、arrival, existenceなどがあります。
arrive と exist はともに自動詞(目的語を取らない動詞)ですよね。
例をみてみましょう。
例 the arrival of the train 電車が到着すること
この時、The train arrive … のようにthe train を主語、arriveを動詞とするような文に戻してみると、意味がはっきりしますね。
言いかえれば、The train arrive … という文を名詞化したものが the arrival of the train という句になる、ということです。
形容詞由来の名詞は、例えば、形容詞beautifulがもとのbeautyという名詞があります。
例 beauty of a sunset 夕焼けが美しいこと
これも Sunset is beautiful.『夕焼けが美しい。』
という文の形に直すと、意味がはっきりしますよね。
必ず『BがAすること/BがAであること』 と訳さないと減点されるかというと、そうではないです。
しかし、上の2つを『電車の到着』、『夕焼けの美しさ』と訳すよりは、明らかに採点官によい印象を与えることができます。
文の形にもどして訳すことで、採点官が『こいつはわかってるな』と感じることは、間違いないです。
「BをAすること」と訳す場合【他動詞由来の名詞】
このときのAは、他動詞由来の名詞になります。
他動詞由来の名詞には、例えば、explanation があります。
動詞 explain は他動詞(目的語を取る動詞)ですよね。
例 explanation of meaning 意味を説明すること
これを『意味の説明』などと訳しても、意味がはっきりしませんよね。
では、もとの文の形に戻すとどうなるでしょうか?
explain the meaning 『意味を説明する』となります。
やはり、意味がわかりやすくなりますよね。
まとめ
上の5通りの訳し方は、必ずしもこの通りに訳さなければならない、ということではありません。
しかしこのように分類すると、自分で意味が理解しやすくなり、誤訳を防げる可能性が高まります。
特に大事な訳し方は3、4、5あたりです。
ですから、A of Bの、Aの部分が自動詞由来か他動詞由来か、形容詞由来なのか、その時々で判断しなければなりません。
これは動詞が自動詞なのか、他動詞のかをしっかり区別して勉強することで、身につきますので、普段からしっかり意識してくださいね!
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
なにか質問や、間違いの指摘などがありましたら、コメントからお願いいたします。
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