英文和訳のコツ|和訳の3ステップを1から解説!|練習問題つき

英文和訳のコツ|和訳の3ステップを1から解説!|練習問題つき

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この記事は力を入れて書いたため、6000字を超える長文です。

時間がない方は、ブックマークしていただくか、後に出てくる目次の好きなところからお読みください。

『なんとなく和訳はできるけど、いまいちコツがつかめない』

『自分でつくった和訳と解答の和訳が全然ちがう』

『とにかく和訳ができない』

この中の1つでも当てはまれば、この記事読むことできっと解決します。

この記事では、誰でも正しく和訳できるようになる3つのステップ(コツ)を紹介しています。

小手先のテクニックではなく、正統な方法なので、最初は少し難しく感じるかもしれません。

しかし、このコツを習得すれば、必ず和訳で他の受験生と圧倒的な差をつけることができます。

和訳の基礎はOKで、長い英文が和訳できないという方は

長い英文(一文)が和訳できない人必見!訳し方のコツを練習問題で解説!

をお読みください。

※追記

どの参考書を使って和訳の練習をすればいい?
という質問が多かったので、おすすめの和訳の参考書を紹介します。

『英文和訳演習』という参考書です。

 

昔からある英文和訳の参考書なのですが、解説が非常に詳しいです。

採点基準も明確なので、初心者でも自分が作った和訳が何点ぐらいなのか、はっきりわかります。

さらに値段も650円と非常に安いので、学生さんでも安心して買えます。

入門編、基礎編、中級編、上級編とレベルが上がっていくのですが、中級編でも東大レベルなので、初心者の方は入門編から始めてください。

 

 

英文和訳のコツは3つのステップ

英文和訳|コツ

いまから紹介する和訳のコツ(3ステップ)を使えば、難しい英文でも訳すことができるようになります。

1から3の順に英文を処理していきます。

初めて見る方は難しく感じるかもしれませんが、丁寧に解説していきますので、安心してついてきてください。

和訳のコツ1英文の構造を取りきる

『英文の構造を取りきる』

とは以下のようなことを見抜くことです。

・文の主語、動詞は何か

・第何文型の英文なのか

・関係代名詞があれば何が先行詞なのか

・省略されているものがあればそれは何か

・倒置が起きていればもとはどういう文だったのか

英文の構造をとることは、和訳するときに極めて大切です。

なぜなら、まともな和訳をするためには、英文の構造を理解することが必要だからです。

そのために、上記のことを見抜くことで、英文の構造と日本語の構造が離れることがなくなります。

この中でも『文の主語、動詞はなにか』を見抜くことが、特に大事な和訳のコツです。

和訳のコツ2視点をもって意味を絞り込む

和訳のコツ

『視点をもって意味を絞り込む』

とは次のような視点をもつことです。

・プラスのトーンの文かマイナスのトーンの文か

・主語が無生物主語か否か

・文中に推移や因果関係を表す語句はないか

・どの分野の話か。社会科学or自然科学or人文科学か。

・対比関係を表す単語のセットが文中にあるか 

・英文の構造と乖離した訳になっていないか

特に『プラスのトーンの文かマイナスのトーンの文か』を間違えると、とんでもない訳を作ってしまいます。

また、隠れた因果関係を見抜いて和訳に反映させることで、採点官に『こいつわかってるな』と印象づけることができます。

※因果関係を含む動詞の例 cause『~を引き起こす』, lead to『~につながる』, result in『~を生じる』など

和訳のコツ3直訳に意訳を入れ適切な日本語にする

『直訳に意訳を入れ適切な日本語にする』とは、和訳のコツ1と和訳のコツ2で作った直訳に、意訳を入れてあげることです。

意訳を入れることで、ガチガチのかたい日本語から、自然な日本語に変えることができます。

どの程度意訳を入れるかは、ケースバイケースですが、(大学受験では)2割から3割入れると適切です。

関連記事・・・『分詞構文の訳し方を徹底解説!悩んだら『そして』と訳そう!

英文和訳問題練習

英文和訳練習問題|コツ

和訳のコツの3ステップを理解したら、練習問題をやってみましょう。

英文を見たらすぐ答えを見るのではなく、自分で和訳を作ってみることが大事です。

自分で考えずに答えを見てしまうと、和訳の力が伸びないので注意してください。

和訳練習問題|第2文型の英文

問題 The car which crashed into the wall is hers.

さきほどの和訳のコツの3ステップに沿って説明します。

まず『和訳のコツ 1英文の構造を取りきる』で、主語と動詞を見つけます。

主語はThe car ですね。動詞はcrashedに見えますが、実はそのあとのis です。

関係代名詞which の先行詞が何か考えると、前に名詞がひとつしかないので、The car が先行詞と特定できます。

which以下を見てみると、crashedという動詞があるので、crashedが関係詞節内の動詞になります

そのあとにis があるので、関係詞節はisの手前までだとわかります。

よって、この英文全体の主語はThe car、動詞はis、補語がhersだとなります。

つまり、この英文は第2文型(SVC)の文だとわかります

さらにわかりやすくするために、関係詞を使う前の文の形が、どのようなものだったか考えます。

The car crashed into the wall. The car is hers.

という2文に分解できるのがわかるでしょうか。

これで、英文の構造を取りきることができました。

えっ、『ここまで細かくやるの』と思った方もいるかもしれませんが、慣れてきたらここまでする必要はありません。

慣れれば今やったようなことは、無意識にできるようになるからです。

直訳は

『壁に突っ込んだ車は彼女のものだ。』

となります。

単語を適当につなげて日本語をあてはめるのではなく、きちんと構造をとり、論理的に考えいくのが和訳のコツです。

この英文では『和訳のコツ 1英文の構造を取りきる』

の段階で、すでにほぼ日本語訳ができていますので、和訳のコツ2と3は必要ないです。

しかしもう少し難しい英文になると

『和訳のコツ 2視点をもって意味を絞り込む』

 

『和訳のコツ 3直訳に意訳をい入れ適切な日本語にする』

のありがたみがわかります。

関連記事・・・『連鎖関係代名詞|副詞とは?whatやwhomなど例文で解説!

和訳練習問題【関係代名詞whatを含む英文】

英文和訳練習問題|関係代名詞

問題 What she says is nothing but lip service.

まず、『和訳のコツ 1英文の構造を取りきる』です。

始めに、主語と動詞を見つけます。

主語は What she says で 動詞は is ですね。

※主語のWhat she says は、関係代名詞whatを使った名詞節です。

そして nothing but は only と同じ意味の副詞です。

なので、補語(C)は、 lip service になります。

ここまで、英文の構造がほぼとりきれました。

次に、『和訳のコツ 2視点をもって意味を絞り込む』です。

まず使う視点は、主語=補語(S=C)ということです。
 
つまり、 What she sayslip service だということですね。

こう考えると、Whatが疑問詞「何」なのか、関係代名詞「こと」なのかわかります。

Whatが疑問詞『なに』なのか、関係代名詞『こと』なのかは、文の形からでは判断できず、文脈からでしか決まりません。

ですから、視点を持って意味を絞り込むことは非常に大切なのです。

最後に『和訳のコツ 3直訳に意訳をい入れ適切な日本語にする』です。

この英文の直訳は、

『彼女の言うこと(What she says) は(is) 口先だけだ(lip service)』

このままでも十分に意味が通りますが、さらに少し意訳を加えて

『彼女の言うことは口先だけのお上手に過ぎない』

とすると、自然な日本語になります。

和訳練習問題【意訳すると失敗する英文】

英文和訳練習問題|コツ

問題 I thank you for the confidence with which you honor me.

まず『和訳のコツ 1英文の構造を取りきる』です。

最初に主語と動詞を見つけます。

主語はI、動詞はthankという他動詞でその目的語はyouですね。

次にfor以下を見るとforという前置詞の目的語として、confidenceがあります。

更にwith以下を見るとwhichと続いているので、これは前置詞+関係代名詞の文だとわかります。

関係代名詞の先行詞はconfidenceです。

前置詞+関係代名詞は一見わかりにくいので、元の文の形に直していきます。

そうすると 

You honor me with which(=confidence).

となります。

英語を母語とする人であれば、このように構文を取る必要はないです。

しかし英語を外国語として学ぶ人は。英文の構造を取りきる前に意味を取ろうと、するとまず失敗します。  

たとえば今回の文を、適当に単語をつなげて意味を考えて、

『私は、あなたが私を賞賛してくれることで、自信に感謝する』 

などと訳したら0点です。

次に『和訳のコツ 2視点をもって意味を絞り込む』です。

今回使う視点は、プラスのトーンの文かマイナスのトーンの文かということです。

今回は、『私はあなたに感謝する(I thank you)』なので、プラスのトーンの文だということがわかりますね。

したがってconfidenceは、プラスの意味で使われていることがわかります。

ですから、confidenceを『ずうずうしさ』とか『厚かましさ』と訳すのはありえないわけです。

したがって『信頼』と訳すのがちょうどよいでしょう。

最後に 『和訳のコツ3直訳に意訳をい入れ適切な日本語にする』です。

意訳を少しまぜて和訳すると、

『あなたが、信頼とともにわたしを尊敬してくれたことを感謝する。』

となります。

和訳練習問題【難問】

英文和訳練習問題|難問

問題

 

A slender acquaintance with the world must convince every man that actions are more important than words.

まず『和訳のコツ1英文の構造を取りきる』です。

まず主語と動詞をみつけます。

最初に出てくる動詞はconvinceですので、この文の主語はconvinceと予想します。

そうすると自動的に主語は、A slender acquaintance with the world とわかります

convince は 『convince 【人】 that 〜 』という形で『人に〜ということを納得させる』という意味です。

ですので、【人】 の部分が every man で、that以下の

actions are more important than words

ということを納得させる、となります。

次に『和訳のコツ2視点をもって意味を絞り込む』です。

この文で使える視点がなにかというと、『主語が無生物主語』です。

無生物主語を訳すときのコツは、『副詞節っぽく訳すこと』です。

無生物主語の訳し方について、詳しく知りたい方は

無生物主語構文の訳し方のコツを徹底解説!練習問題も掲載! 』をご覧下さい。

この英文は、副詞節の、if節のように訳すとうまくいきます。

ほかにこの英文で使う視点は『対比関係を表す単語のセットが文中にあるか』です。

actionsとwordsが対比関係になっているのがわかるでしょうか?

対比関係を見抜くことができると、片方が知らない単語でも、意味を推測できるようにないrます。

actionsにはいろいろ意味がありますが、wordsの意味が『ことば』とわかれば、actionsの意味が『行動』と絞れます。

最後に『和訳のコツ3直訳に意訳をい入れ適切な日本語にする』です。

まず和訳のコツ1と2でやったこと考慮して、直訳していきます。

世間のことを少し知っていることは(A slender acquaintance with the world)

 

言葉よりも行動が大事だということ (that actions are more important than words)

 

を全ての人に確信させるに違いない(must convince every man) 

このままでも悪くはないのですが、少し不自然な日本語ですよね。

そこでさきほど書いた、無生物主語をif節のように訳すことで、自然な日本語を目指します。

また、目的語がevery man ですが、これを主語のように訳すことで、より自然な日本語になります。

『全ての人を確信させる』ではなく『誰もがわかる』にすると、自然ですよね。

したがって少し意訳を加えたものが、以下になります。

『世間のことを少しでも知っていれば、言葉よりも行動が大切だということを誰もがわかるに違いない。』

入試で確実に点数をもらうためのコツは、意訳しすぎないことも大事です。

意訳しすぎると、英文の構造をとれてないのではないか、と採点官に悪印象を与えてしまいます。

ですので、直訳をベースに不自然な日本語にならない程度、意訳を加えるのがよいです。

この文のthat節と同格のthatはよく似ています。

違いを詳しく知りたい方は

同格のthat節を例文で徹底解説!取れる名詞や関係代名詞との違いは?』を参考にしてください。

まとめ

この記事のなかで重要なことを、簡潔にまとめてみます。

和訳の3つの手順を常に意識する。

 

『和訳のコツ1英文の構造を取りきる』

『和訳のコツ2視点をもって意味を絞り込む』

『和訳のコツ3直訳に意訳をい入れ適切な日本語にする』

 

『和訳のコツ1英文の構造を取りきる』

・文の主語、動詞は何か

・第何文型の文なのか

・関係代名詞があれば何が先行詞なのか

・省略されているものがあればそれは何か

・倒置が起きていればもとはどういう文だったのか

などを考える。

『和訳のコツ2視点をもって意味を絞り込む』は

・プラスのトーンの文かマイナスのトーンの文か

・主語が無生物主語か否か

・文中に推移や因果関係を表す語句はないか

・どの分野の話か。社会科学or自然科学or人文科学か。

・対比関係を表す単語のセットが文中にあるか 

・英文の構造と乖離した訳になっていないか

などを考える。

英文和訳はコツをつかめば、誰でもできるようになるのでがんばりましょう!

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