『短い文なら訳せるのに、長い文になると急に訳せなくなる』
『長い英文の訳し方がわからない』
『そもそも英語の訳し方の基本がわからない』
この中の1つでも当てはまったら、この記事がきっと解決します。
この記事では、構文が複雑であったり、一文が長い英文の訳し方を主に解説しています。
和訳についての基本的なことは、
『英文和訳のコツ|和訳の3ステップを1から解説!|練習問題つき』
をご覧下さい。
※追記
どの参考書を使って和訳の練習をすればいい?
という質問が多かったので、おすすめの和訳の参考書を紹介します。
『英文和訳演習』という参考書です。
昔からある英文和訳の参考書なのですが、解説が非常に詳しいです。
採点基準も明確なので、初心者でも自分が作った和訳が何点ぐらいなのか、はっきりわかります。
さらに値段も650円と非常に安いので、学生さんでも安心して買えます。
入門編、基礎編、中級編、上級編とレベルが上がっていくのですが、中級編でも東大レベルなので、初心者の方は入門編から始めてください。
目次
長い英文(一文)の訳し方のコツ
長い英文や複雑な英文の訳し方といっても、基本は普通の文の訳し方時と同じです。
基本的な考え方は変わりません。
英文の訳し方の3つの手順
1英文の構造を取りきる
2視点をもって意味を絞り込む
3直訳に少し意訳を入れ適切な日本語にする
これだけです。
この方法を丁寧にやっていけば、長い英文でもポイントをおさえて訳すことができます。
訳し方のポイントをおさえることができれば、大きな失点を逃れることができます。
長い英文を訳すときにポイントを抑えられないと、時間をかけた割に点数が全然とれない、という悲惨な結果になってしまいます。
英文の主語と動詞を押さえる
英語を和訳するときに、英文の主語と動詞をきちんと見つけることは、絶対に必要です。
主語と動詞を間違えると、日本語がおかしくなる可能性が、非常に高いからです。
逆に言えば、主語と動詞さえ見つけられれば、日本語がおかしくなることはないでしょう。
『日本語の主語・述語』が、『英語の主語・述語(動詞)』と一致してれば、大きな失点をすることはないです。
英文と和訳したあとの日本語を比較する
英文の主語と動詞をきちんと押さえたとしても、それを和訳に反映させなければ意味がありません。
だから、和訳したら英語の主語・動詞が、日本語の主語・動詞と一致しているか、確認しましょう。
英語の主語と動詞を、日本語に反映させて和訳するには、日本語の3つの構造をよく知ることが大事です。
日本語の文構造
1 何が何だ
2 何がどんなだ
3 何をどうする
日本語の文構造は、これら以外にありません。
1 『何がなんだ』 は英語のSVとSVC(Cは名詞)
2 『何がどんなだ』は英語のSVC(Cは形容詞)
3 『何をどうする』は英語のSVOやSVOO、SVOCに対応しています。
これは参考書にはほとんど書いていないことですが、極めて重要です。
和訳をつくってみて、日本語がこれら以外だったら、大きく減点される可能性が高いからです。
ですから和訳を作り終えたら、必ずこれらの構造になっているか確認しましょう。
では練習問題をやってみましょう。
長い英文の和訳練習問題【訳し方が難しい単語】
もういちど、復習用に和訳のポイントを載せておきます。
この手順を意識して和訳していきましょう。
英文の訳し方の3つの手順
1英文の構造を取りきる
2視点をもって意味を絞り込む
3直訳に少し意訳を入れ適切な日本語にする
問題
It is unusual for a poet not to have some element of rebellion in him, at least when he is young.
長い英文を和訳するときは、文全体の主語・動詞をつかむことが大事です。
この文の動詞は最初にあるis です。
そして主語は It これは仮主語で、真主語はto have 以下ということがわかります。
そして、真主語がどこまでかというと、him まででしょう。
at 以下は前置詞句ですのであとで考えます。
これで 1の『英文の構造を取りきる』ができました。
ここで注意すべきことは、not がto以下の真主語にかかるのか、それとも文全体の述語のisにかかるのかということです。
これは構造を取る段階では決められませんので、2の 『視点をもって意味を絞り込む』にいきます。
まず、注目すべきことがあります。
elementという単語です。
これは通常可算名詞ですので 通常はsome elements となるはずですが、ここではなっていません。
ここでは可算名詞の複数形が単数形になると、someの訳が『いくつかの』から『何らかの』 に変わるという知識が必要です。
つまり適切に和訳するためには、単数形か複数形かを気にするという視点と、someの知識が必要だったのです。
ほかの単語については、意味がほぼ一通りにさだまるので、特に気にする必要はありません。
あえて言えばrebellionの和訳が『反逆』『反抗』なのかという問題がありますが、どちらで減点はされないでしょう。
またhimという表現についてですが、詩人が男とは限りません。
古い英文では『人』のことをHeやhim、hisと和訳することがあります。
では最後の3番の『直訳に少し意訳を入れ適切な日本語にする』をやります。
直訳に少し意訳をくわえることによって、自然な和訳になります。そうすると、
「詩人が少なくとも若い頃に、何らかの反逆心を自身の内に持たないことは珍しいことだ」
という和訳になります。
長い英文の和訳練習問題【難問】
では今度は、構造をとることすら難しい問題をやっていきます。
問題
It is no surprise that it has been such a stable part of the Mediterranean diet for so long and reassuring that its worldwide popularity is developing once again.
どうでしょうか?
※ reassuring 形容詞『心強い』
くどいですが、以下の3つのことを意識してください。
1英文の構造を取りきる
2視点をもって意味を絞り込む
3直訳に少し意訳を入れ適切な日本語にする。
必ずこの手順でやってくださいね。
いきなり意味を取ろうとすると、失敗する可能性が非常に高いです。
構造をとるためにまずは主語・動詞をみつけます。
動詞は最初のisでしょう。
そしてitとthatを見たときに、itが何を指すかの見極めをします。
こ の文では、itが仮主語で、that以下の
that it has been such a stable part of the Mediterranean diet for so long
までは真主語だとわかります。
難しいのは、ここからです。
and reassuring that its worldwide popularity is developing once again.
のandが何と何をつないでいるのか、考えることが重要です。
andやbutなどの等位接続詞を見たときには、、必ず何と何がつながれているのか考えるようにしてください。
今回は
no surprise that it has been such a stable part of the Mediterranean diet for so long
と
reassuring that its worldwide popularity is developing once again.
がつながれています。
つまりIt is A. It is B.という構造をひとつにまとめたと、見ることができます。
これで構造が取りきれました。
次に2と3の『意味の絞込み』と『意訳を加えて適切な日本語にする』中でのポイントは、
Mediterranean diet
という単語を無理に和訳しないことです。
カタカナ語の名詞は無理に和訳しようとせず、そのままカタカナで和訳するとうまくいく場合が多いです。
では解答です。
『それが地中海ダイエットの中で、安定した役割をそれほど長く果たし続けてきたことは驚くに値せず、それが再び世界的な人気を博していることは心強い。』
※注意『それ』は前後の文を見なければわからない事柄ですので、『それ』と訳して構いません。
長い英文の和訳練習問題【超長文】
最後は、手加減抜きの超長文を和訳していきます。
A small group of islands jammed with people, a long history, and relatively few natural resources seem to indicate that Japan should be trapped in the sea of problems that trouble places like China, India and Madagascar.
ではまず構造を取るために文の骨格である主語と動詞を見つけます。
一見、動詞は jammedに見えますよね。
しかしその後に
a long history, and relatively few natural resources seem to indicate
とあるので、動詞は jamではなくseem だということがわかります。
すると、主語は
A small group of islands jammed with people, a long history, and relatively few natural resources
という長い主語だとわかります。
そして indicate that ‥‥以下が目的語になることがわかりますね。
that 以下でまたSとVがありますのでそれを見つけます。
するとS は Japan 、Vは should be trapped だと見ることがわかります。
ちなみに、ここの shouldは indicate that が使われている場合に自動で発生するものですので、「〜すべき」という意味はないです。
さらに後ろを見ていくと
in the sea of problems that trouble places like China, India and Madagascar.
とありますが、これは大きな前置詞句のかたまり、と見ることができます。
ここの that は関係代名詞ですね。さて、これで、1番の構造をとり切ることができました。
次に2番の『視点をもって意味の絞込む』をおこないます。
今回使う視点は、主語が無生物ということですね。
無生物主語構文の詳しい訳し方は、こちらをご覧下さい。
無生物主語の訳し方のポイントは、副詞節ように和訳することです。
今回は『〜によって・・・』と和訳することにします。
最後に3番の直訳に少し意訳を入れ適切な日本語にする をやります。
jammedを『ぎゅうぎゅうの』
troubleを『悩ませる』のように意訳をまぜてあげると、自然な日本語になります。
それらをふまえると、訳は
『人々でぎゅうぎゅうの小さな島々や長い歴史、比較的少ない天然資源によって、中国やインドやマダガスカルといった場所(国)を悩ませている海の問題に、日本が捕らわれていることが示されるだろう。』
となります。
長い英文の訳し方のコツまとめ
最後に、『長い英文の訳し方のコツ』をまとめてみます。
【和訳するときの手順を意識する】
1英文の構造を取りきる
2視点をもって意味を絞り込む
3直訳に少し意訳を入れ適切な日本語にする
【日本語の構造を意識した訳し方をする】
日本語の文構造
1 何が何だ
2 何がどんなだ
3 何をどうする
となります。
はじめは、長い英文を和訳することが難しいかもしれません。
しかしこの記事に書いてある手順で勉強をしていけば、必ずできるようになります。
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