残念ながら、受験に失敗し不合格になってしまった方の大多数は、浪人すると思います。
浪人すると、予備校に通うか宅浪するかで、悩む方も多いのではないでしょうか。
今回は主に、予備校と宅浪のメリットとデメリット、
その上での、宅浪が失敗しやすい理由と、宅浪で失敗しない方法を書いています。
僕自身は予備校と宅浪を両方経験しており、また友だちも数人、宅浪していました。
自身の体験や友だちの話、インターネットでの声もかなり調査したので、信頼性の高い記事になっているはずです。
はじめに、宅浪のメリットを紹介します。
けれども、宅浪はよっぽどの理由がない限り避けるべきです。
目次
宅浪のメリット【スケジュールを自分で組める】

宅浪の一番のメリットは、予備校の時間割に縛られる必要がないということです。
浪人して予備校に通ってみればわかりますが、平日は朝から夕方まで、平均5時間くらい授業が入っています。
よい先生に当たれば、そこまで効率は悪くはないですが、悪い先生に当たったときは最悪です。
その時間が、まるまる潰れてしまいます。
特に河合塾では、ひとコマが90分ですから、悪い先生に当たった時のダメージは大きいです。
その点宅浪は、スケジュールを自分で組むことができるので、自由度が大きいです。
例えば、数学だけが偏差値50で残りの教科が、65あったとします。
その場合数学以外の教科を勉強するより、ある時期に数学にしぼって勉強したほうが、総合点はあがりやすいです。
宅浪ならば数学だけを強化する期間を、もうけられる点がメリットです。
宅浪の失敗率はそれでも高い
宅浪の失敗率はかなり高いです。
友だちや、周りで宅浪していたひとの中では、第一志望校に受かったのはだだ一人だけでした。
さらに、いわゆる『全落ち』した人もいました。
また、ネットの宅浪体験談などを読んでも、失敗する人がかなり多い印象です。
これを考えると、宅浪はできる限りさけたほうがいいという結論になります。
ではなぜ、宅浪だと失敗する確率が高いのでしょうか。
以下の項目で宅浪が失敗する理由、予備校に通うべき理由を書いていきます。
宅浪ではなく予備校に通うべき理由

予備校に通うべき理由①モチベーションが保てる
予備校に通うべき大きな理由は、モチベーションが保てるからです。
なぜ、モチベーションが保てるかというと、予備校に通えば生活リズムが整うからです。
予備校に通うと、毎日朝から夕方まで、授業があります。
登下校も、電子カードなどで管理されるので、勉強リズムができます。
他方、宅浪は一から自分で計画を立てて
『何を』『どのくらい』『いつやるか』全部自分で決めなくてはなりません。
また予備校では、周りに同じ志望校を目指し、勉強を共にする仲間がいるので、向上心がわきます。
一方宅浪は、基本自宅か図書館なので、同じ大学を目指す仲間は、まず見つけられません。
ですので、モチベーションが下がりがちです。
また、精神的につらくなってくる秋以降、宅浪は特にモチベーションがなくなります。
一方予備校通は、精神的にはつらいですが、周りにチューターや仲間がいるので、なんとかなります。
宅浪していた友だちは、モチベーションの上下動がはげしく、全く勉強に手がつかない日もあったそうです。
特に秋以降はメンタルがかなりきつかったと、言っていました。
実際、僕も宅浪していた時期は、気分の浮き沈みが激しく、かなりきつかったのを覚えています。
モチベーションの喪失は、宅浪が失敗する大きな原因といえます。
予備校に通うべき理由②孤独にならない
勉強は基本ひとりでするものですが、それを一年間続けるのはきついです。
宅浪の失敗率が非常に高いのは、孤独になりやすい環境があるからです。
宅浪すると、友だちと疎遠になりがちです。
また浪人したことによって、親との仲が悪化すると、宅浪は確実に失敗します。
周りに理解してくれる人がいない状況は、どんな人でもつらいです。
さらに宅浪は、自宅にこもりがちになるので、物理的に人と話す機会が少なくなり、
精神が正常な状態でなくなる可能性が高いです。
図書館に通えば、少しは緩和されるかもしれませんが、予備校通いの人と比べると孤独感を感じることは多いでしょう。
孤独も、宅浪の失敗原因といえます。
予備校に通うべき理由➂時間割がきまっている
さきほど、宅浪は自分でスケジュールが組めることが、メリットと書きました。
しかし、それはデメリットにもなりえます。
誰かに強制されるわけではないので、嫌いな教科をとことんやらなくなる可能性があるからです。
スケジュール管理ができ、きちんと計画がたてられる人は大丈夫ですが、そうでない人は危険です。
好きな教科ばかりやり込み嫌いな教科がおろそかになると、まず総合点はあがりません。
得意教科より苦手教科のほうが、点数ののびしろが大きいからです。
それに比べて予備校に通えば、嫌いな教科も一週間のうちに、必ずやることになります。
毎週少しでも、苦手な教科に触れているのと触れていないのでは、のちのち大きな差になります。
スケジュール管理の失敗も、宅浪が失敗しやすい原因です。
宅浪で失敗しない方法【図書館や模試を利用しよう】

しかしながら、経済的な理由やその他の理由から、
宅浪せざるを得なくなった人はどうすればよいのでしょうか。
宅浪で成功した友だちの体験をもとに、宅浪で失敗しない方法をまとめてみました。
家で勉強せず図書館や自習室を利用する
宅浪でだだ一人、第一志望校に合格した友だちは、ほとんど家で勉強しなかったそうです。
友だちは、家の近くの図書館を主に利用していました。
近くに図書館がないという人は、有料自習室をつかうという手もあります。
有料自習室は自分の荷物を持ち込めたり、ほぼ個室的なものもあったりと、
自宅よりはるかに集中しやすい環境が整っているはずです。
しかし、周りに人がいたほうが集中できるといった人や、お金をかけたくないという人は、図書館を利用するのがベストでしょう。
最近は図書館でも、朝9時から夜7時くらいまで開いているところもあるので、勉強時間はかなり確保できます。
模試を受ける(月1回程度)
宅浪生は模試を利用することで、モチベーションアップにつながります。
宅浪は自分の勉強の成果を客観的に見ることが難しく、本当に学力が上がっているのか、不安に陥りがちです。
しかし模試を利用することで、全国における自分の客観的な学力が一目でわかり、
それ以降の勉強計画を、練り直ししやすくなります。
個人的な見解ですが、宅浪の場合、模試は月1回は受けたほうがよいです。
周りに人が居る環境で、緊張感を保ちながら問題を解くという、本番と似たような雰囲気を強制的に味わえるからです。
受験本番を経験したひとはわかると思いますが、本番は自分の想像もつかないことが起こります。
自宅で少しゆったりして勉強してるときとは、大違いです。
ですので、模試を受けることで少しでも本番に近い環境をつくることは、非常に大事です。
宅浪で医学部や旧帝大に合格した勉強法や体験談

この項目では宅浪で東大や医学部に合格した方の、体験談を引用してみます。
まず医学部に合格した方からです。
宅浪で医学部に合格した勉強法・体験談
私は1年間以下のスケジュールで毎日勉強し医学部に合格しました。
月曜 数学、英文法、化学、古文
火曜 数学、英文読解、生物、現代文
水曜 数学、英文法、化学、漢文
木曜 数学、英文読解、生物、現代文
金曜 数学、英文法、化学、古文
土曜 現代文、倫理・政治経済、小論文、英作文
日曜 模試or好きな勉強■モチベーションについて
やる気を1年間持ち続けるのは難しいと思います。そんな時私は、やる気がない自分に対して何かしようとは思いませんでした。
社会人経験者はこの気持ちが分かると思いますが、
誰だってその仕事が好きだとしても、常にやる気に満ちている訳ではないと思います。
月曜日の朝は憂鬱だし、行きたくないと思いながらも職場に向かってしっかり仕事はします。
受験勉強だって同じです。
ただ、毎日朝起きて、図書館なり予備校なりに行って、
そして計画表に沿って毎日の勉強をこなしていけば、やる気がなくても成績は上がります。
『独学、予備校、自宅浪人を経験した医学部再受験成功記』 より引用
一週間でまんべんなく、すべての教科をこなしていますね。
ポイントは『やる気がなくても続ける』ことでしょう。
宅浪で旧帝大に合格した勉強法・体験談
次に旧帝大に合格した方の体験記です。
6時起床→朝食と散歩(しながら英語)起きる時間は、あまり安定していなかった覚えている。
大切なのは想定していた時間より、遅く起きてしまっても落ち込まないこと。
起きるのが遅かろうが、起きてすぐ勉強すれば大した痛手にはならない。
私の場合は完ぺき主義になって、いちいち萎えていたので、寝坊しても気にしないことにしていた。
実際、浪人時代は夕食を基本的にとっていなかった。
私は夜、ご飯を食べると(つい食べ過ぎてしまうので)現役時代は太ったし、
胃を寝てる間働かせてしまうと熟睡もできなかったので、夜は食事をとらないようにしていた。
『宅浪成功の10か条|勉強を続ける方法とスケジュールの組み方』 より引用
この方も、感情に揺さぶられず、勉強していくことが重要だと言っていますね。
宅浪で失敗しないためのメンタルとは?

上の【宅浪で医学部や旧帝大に合格した勉強法やメンタルについて】の項目で引用した、
お二人に共通していることは、『規則正しい生活を送る』ことと、『やる気が無くても勉強する』ことだと感じます。
『規則正しい生活を送る』上で、大きな弊害となるのは、やはりスマートフォンです。
夜寝る前にスマートフォンをさわると、目がさえて眠れなくなり朝起きるのが遅くなるという、悪循環に陥ります。
実際、宅浪で失敗をまぬがれた友だちは、スマートフォンを解約していました。
そこまでする必要はないかもしれませんが、スマホを親に預けるなど、何かしら対策を講じたほうがいいです。
また、好き嫌いで勉強していると、得意科目がさらに得意になる一方で、不得意科目はもっとできなくなってしまいます。
僕は英語がわりと得意だったのですが、やはり宅浪時代の勉強時間は、圧倒的に英語が多くなってしまいました。
予備校に通うことができれば、この勉強時間のアンバランスは防ぐことができます。
また、医学部に合格した方が書いていますが、『やる気がなくても勉強する』ことは非常に大切です。
そのために『受験勉強』を『仕事』だとみなすことは、最適だと感じます。
仕事というものはどんなにやる気がなくても、やらなければなりません。
やる気がなくても朝起き、会社に行き、与えられた仕事をこなす。
これを宅浪の受験勉強に当てはめてみると、やる気がなくても朝起き、図書館に行き、スケジュール通りの勉強をこなす、ということですよね。
ですので、感情の波をつくらず、淡々と機械のように勉強し続けることが、宅浪失敗しない大きな鍵です。
まとめ
ここまで
・宅浪のメリット、デメリット
・予備校のメリット、デメリット
・宅浪より予備校通うべき理由
・宅浪の失敗しない勉強法・スケジュール
について書いてきました。
さきほども書きましたが、よっぽどの理由がない限り予備校に通うべきです。
理由は簡単で、宅浪の方が圧倒的に合格率が低いからです。
わざわざ宅浪という、苦難の道を選ぶ必要はありません。
この記事を読んで、宅浪をやめようかな、という気になってくれると嬉しいです。
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